ご祝儀を入れるときは、普通「奇数」にこだわって入れます。
例えば、結婚祝いでは、偶数は「割れる」に通じてしまうため敬遠されます。
したがって、2万円を包むときは、1万円札を1枚、5千円札を2枚と、札の数を合計3枚にして包むのが礼儀とされます。
偶数よりも奇数を吉数とするのは、陰陽思想の影響です。
陰陽思想では、「奇数は陽数」で「めでたい数字」とされます。
正月は1月1日、桃の節句は3月3日、端午の節句は5月5日等も、奇数に関係しています。
一方、「偶数は陰数」とされ、これらの考え方が日本に伝わって祝いの席では偶数を避けるようになりました。
偶数の避け方は、地方によって違い、2万円のご祝儀を包むときには、5円玉を足して「2万5円」にして「ご縁」に通じ、しかも偶数を奇数に変える方法をとる地方もあるようです。
陰陽思想が日本社会に一般化されたのは、平安時代頃からだと言われています。
陰陽思想を簡単に言うと、あらゆるものを「陰」と「陽」で考えるもので、文字通り日常生活のいろんなところに影響を受けています。
「軽い・重い」「小さい・大きい」といった事柄やら、元素までにも「陰と陽」があります。
平安時代から1,000年以上も日本に根付いている思想であるのは事実でしょう。
1,000年以上も継承されてきた一般化された思想ですから、継承することも大切であるような気もします。