いつかだったか「真面目」に書いたブログがありますが、今回も真面目に。
札幌に在住するシンガーソングライターの島みやえい子さんが作詞作曲した『冥土喫茶』という曲を紹介します。
今現在は、まだ隠れた名曲です。
誤解の無いよう先に書いておきますが、「冥土=メイド」ではありません。
「冥土」とは文字通り「あの世」を指します。
まず先に、島みやえい子さんについて簡単に紹介します。(知っている方もいると思いますが?)
現在も札幌を中心に音楽活動を精力的に続けています。
音楽活動歴は長く、多くのCMソングを手掛けていたり、有名なところではアニメ「ひぐらしのなく頃に」のシリーズで主題歌を担当された方です。
その他色々活躍されてきたシンガーソングライターなので、ウィキペディアにも掲載されています。(参照:島みやえい子)
さて、『冥土喫茶』という曲の紹介に戻ります。
なぜ紹介したくなったかというと「歌詞がすごい!」からです。
歌詞の概要を書くと、「不思議な喫茶店があってスタンプを44個集めたら、あの世へ旅立ってしまった人と今一度会える」という内容の歌詞です。
「あの世に旅立ってしまった人に、少しだけ会うことが出来たら嬉しい」と思う人も多いと思います。
ご夫婦関係はもちろん、お爺ちゃんやお婆ちゃん、あるいは親しかった友人とか。
どんな関係であろうとも、心に響く曲です。
MV(ミュージックビデオ)があるので、ここに掲載します。
最初は目を閉じて、あの世に旅立ってしまった方の顔を想像しながらゆっくり聞くことをおすすめします。(映像と混在してしまうため)
如何でしたか?
感極まりませんでしたか?
「聞いてみて感激した・涙が出た(出そうになった)」という前提で話を続けます。
島みやえい子さんが作詞作曲しましたが、正確には「444」というユニットの曲です。
「一体どこから・どうやってこんな素敵な歌詞が書けるのか…!?」そう思われる方が多いはず。
「プロ中のプロ」そう言ってしまえば確かにそうなんですが、それにしてもです。
私は最初に聞いた時に、歌詞に驚きつつも感極まってしまい何度も聞き直しました。
歌詞が耳に入る・心に響くのは「歌が上手い」という最低条件。「プロ中のプロ」ですから当たり前。
それにしても「歌詞がこんなに心に響くのは何故だろう?」と考えました。
キーボードやベースが曲を引き立てているのもあるでしょう。
しかし、ある日に気付いたのですが「島みやえい子の圧倒的な歌唱力」であることに気付きました。
(続く)
ここからは私なりに考えた、「歌詞に出て来る主人公(貴方)」の感情を見事に表現する島みやえい子さんの「歌い方」についての見解です。
歌に入る冒頭では、何か可愛らしい歌声から入りますね。(ここは「アニソン」も歌っていた方なので得意でしょう)
「4丁目4番地にあるとっても不思議なコーヒー屋は」 ひっそりとした所にある小さな喫茶店を思い浮かべることが出来ます。
「二度と会えない大切な人に会うことが叶うんです」 嬉しさがありつつも、どこか控えめな感じ。「そんな不思議なことがあるのかなぁ」ですもんね。
「たった一度だけたった一人にだけ」 ここで歌い方と声量が変わります。胸の高まりが伝わって来ます。
「最後まで~(以下略)」 段々声量が大きくなります。胸の高まりが更に大きくなることが想像できます。
「ほろりほろり泣くだろな。貯まったスタンプカードマスターに差し出して、長い長い静寂に不思議な気持ちで身を任せた」 やや盛り上がりを感じさせるものの声量を抑えるのは、「本当にそんなことが起こるのかな?」と、少し戸惑う様子を表現しています。
所謂「1番」が終わり間奏に入ります。
まだまだ声量を抑えているのは容易に分かると思いますが、当然ですよね。不思議な現象はまだ起こっていないから。
「マスターがコーヒーを入れて~(以下略)」 また可愛らしい歌声から入ります。「ドキドキしている」そんな様子が思い浮かびます。
「テーブル席の奥、あの人がはにかんで座っていた」 まだ可愛らしい声のままです。もう一度会いたい人が「優しい笑顔で座っていた」そんな表現。
「震えてしまって言葉も出ない~(以下略)」 一気に歌声が変わり声量は大きくなります。「信じられない…?…!」といった感情。そしてサビを迎えます。
「今も今も変わらない、いつでもそばに居るよ見えなかった【だけさって】」 少し声量を控えつつ【だけさって】の部分は力強い声になります。(【だけさって】の部分、私のドツボを突かれました…!!)
「そんな言葉伝わって~(以下略)」 素敵な歌声解放!主人公(貴方)の感情が最も高ぶりますもの。
「いつかそっちへ行くけれど~(以下略)」 何とも優しい歌声。泣きながらも「私は会いに行くからね」と、歌詞通りの表現。
「雲のテーブルでお茶しながら」 伸びやかな歌声から最後も可愛らしい歌声で〆。最後に比喩の歌詞。脱帽。
「雲のテーブル」は、あの世へ行った時にはということで、伸びやかに歌うのだろうと。「お茶しながら」で可愛らしい声に戻す。「お茶する」って何だか「のほほーん」としますもんね。
というか、この最後の部分は言葉で表現し難いです…。
歌詞と歌い方を分解しつつ、私なりの解釈で書いてみました。
「わざわざ、そんな…」と思うかもしれませんが、歌詞を最大限に生かす歌い方に改めて感動したからです。
一つ一つの言葉、フレーズに相応しい歌い方をしているからこそ、歌詞が心に響くことに気付きました。
思い出そうとすれど、ここまで細かに歌声を歌詞に合わせて変えるヴォーカルは思い浮かびませんでした。
ふ~…。力を入れて書いたので、いささか疲れました(笑)
少し語調を崩します。
MVとか見ていると、何だか遠い存在にも思えますが、結構身近にいる方です。
札幌市内のお祭りやイベントに出演することも多く、無料で素晴らしい歌声を聞けますよー。
私が初めて歌を聞いたのは、今年の「琴似神社の初夏文化祭」でした。
色々な余興が続く中「なんか、のんびりしてていいなぁ~」なんてビールを飲みつつ、まったりしていたんですが、島みやえい子さんの歌声を聞いて酔いが醒めました。
「うわ!すげーユニットがあるなぁ!!」なんて思いつつ、「アマチュアでもいいバンドやユニットって意外とあるもんね~」とかも思ったり。
次に聞いたのは、やはり琴似神社。その時は「夏祭り」でした。
これまた偶然だったんですけどね。
余興が続くもハウリングがかなり起きていて「音響設備が悪いのかなぁ…」なんて思っていたら、島みやえい子さん(444)が歌った時だけハウリングが一切起こりませんでした。
「げ!マジですげーな!!」と思い、演奏終了後に舞台袖にダッシュ!
「いや~いい歌声聞かせてもらいました~!」とか、図々しいところは私の長所でもあり短所でもあり(苦笑)
気さくに話してくれたものの、何か話を聞いている内に「この方、ちょっと凄い人なんじゃ??」そんな思いを抱きつつ、帰路につきながら「島みやえい子」で検索してみました。
「ぐわ!本気ですげー人だった…。日本武道館で歌っているとかマジか!?」なんて冷や汗をかいたものです…。。
しかし、不思議なご縁があり、その後も何度かお話させて頂く機会がありました。
すんごい人なのに全く高飛車になることはなく、とても謙遜で優しい方で人格も素晴らしい方です。
札幌市内のどこかで出演する機会があったら歌声を聞いて、少しだけ感想を言ってもいいかもしれませんね。(もっとも舞台袖に行けるならば)
気さくに応対してくれると思いますよー。
MV(ミュージックビデオ)を何度か見た方は、写真との違いに気付くかもしれません。
「MVでは3人なのに、写真では2人?」と。
キーボードの方は、今年の2月に病気で亡くなったそうです…。
そういった理由で、現在は2人で活動している「444」というユニット。
先日、追悼コンサートに招かれて行って来ました。
生で『冥土喫茶』を聞いたのは、この時が初めて。
追悼コンサートということもあって、余計に感極まりました。
でも、生で聞けたのは財産になりました。
『冥土喫茶』を聞いて感激した方々は、いつの日か生で聞ける日が来るかもしれませんね!
島みやえい子さんのオフィシャルサイトです。シンガーソングライター:島みやえい子公式サイト
オフィシャルサイトからX(旧ツイッター)で人柄を垣間見ることが出来ますし、ライブ(コンサート)情報も見れます。
また、YouTubeのチャンネルも掲載されているので、他の曲も聞いてみたい方は訪れてみてください。
私は「さっぽろ」という曲も好きです!