里芋が8月から12月にかけて流通し、様々な品種があるので長期間食べることができます。
煮物や汁物を始め、田楽やけんちん汁にも欠かせない里芋。
コロッケにしても食べられます。
里芋の主成分はデンプン(炭水化物)とタンパク質ですが、イモ類の中ではエネルギーが低く水分が多いのが特徴です。
ダイエット食にも向いている食材とも言えます。
また、体に嬉しい栄養成分も含んでいます。
里芋は食物繊維が豊富なので、腸内環境の改善の効能があります。
その整腸作用によって、便秘改善や美肌効果など多くの効能が期待できます。
不溶性の食物繊維も含みますが、水に溶けだす水溶性食物繊維を多く含みます。
里芋特有のぬめりは、「ガラクタン」や「グルコマンナン」などの水溶性食物繊維です。
ガラクタンやグルコマンナンは、血中コレステロールを低下させたり腸の働きを良くしてくれます。
また、消化管の保護や肝臓強化にも効能があります。
腸内環境改善や肝臓強化などの効能があるので、免疫力も向上します。
里芋には、ミネラルのカリウムが多く含まれています。
野菜や果物の中でもかなり多くカリウムを含んでおり、イモ類の中ではトップクラスです。
カリウムのナトリウム排出作用によって、高血圧予防やむくみ解消の効能があります。
里芋には、ビタミンB1やビタミンB6などのビタミンB群も含まれています。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える働きを補助します。
ビタミンB6は、皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあります。
泥は洗い流し、皮付きのままで茹でると冷水の中でつるりと皮を剥くことができます。
里芋の皮を剥く際に、塩や酢を手につけておけば、かゆみを予防できます。
乾いた状態で剥くのも一つの方法です。
里芋のぬめり(ガラクタンなど)は塩で沈殿するので、皮を剥いた後に塩もみをして下茹ですると口当たりや味の染み込みが良くなります。
しかし、ぬめりの栄養やカリウムは、加熱調理により水に逃げてしまいます。
栄養と効能を重視するのであれば、そのまま下茹でをせずに調理した方が良いと言えます。
理屈では、「下茹でしない」方が栄養を余すことなく摂れることになりますが、「美味しく食べる」のが何よりかと思います。
「下茹でをしてアクを抜き、ぬめりが残っても気にしない」くらいが丁度良いのかもしれませんね!
里芋は乾燥を嫌うので、泥付きのものは濡れた新聞紙などに包んで保存すると良いです。
また、低温に弱いため冷蔵庫よりも常温で保存するのがベターです。
里芋の皮を剥いたものを買う際、赤い斑点が出ていないものを選びます。
泥がついたままの状態よりも痛みが早いので、冷蔵庫に保存して早めに使い切ります。
(ただし、赤い斑点はアントシアニンの酸化によるものなので食べても大丈夫です。)