札幌市豊平区にある相馬神社は、天神山の山頂近くにある神社です。
それほど広い神社ではありませんが、境内に神聖な御神木があることでも有名。
天神山緑地に隣接していて緑が豊富な神社です。(天神山緑地は季節ごとの花が綺麗な場所でもあります。)
札幌市内でも屈指のパワースポットである相馬神社を紹介します。
明治4年(1871年)、岩手県水沢の旧藩士を主体とする203人の入植者が現在地(天神山)を神社予定地として貸し付けを受け、札幌神社の遙拝所として祭事を執行したのがはじまりです。
明治35年(1902年)、御祭神天之御中主大神を奉じ、北海道の開拓と地域の殖産産業の発展を願い、福島県相馬郡太田村鎮守相馬太田神社の崇敬者、御分霊を奉遷し、札幌郡豊平町5番地に仮設を設け奉斎しました。
(「相馬神社」の名称の由来は、相馬太田神社から。)
明治41年10月27日に神社創立認可を得て、明治42年11月27日に豊平町平岸村47番地に鎮座しました。
大正5年(1916年)に現在地の平岸天神山に神社を移転しました。
天之御中主大神(あめのみなかたぬしのおおかみ)
「古事記」の中で最初に出現する神様で、「造化三神」の一柱。
天地自然・万物生成発展を主宰する神様です。
開運厄除、家内安全、交通安全御守護
天之御中主大神は、宇宙の源・宇宙を創造された神様と言われていますので、ご利益はあらゆる事柄にあると言っても過言ではありません。
平岸街道(平岸通)に面して鳥居があります。
相馬神社へ向かう坂を見上げると、結構急勾配な坂であることが一目で分かります。
坂を登る前に鳥居横に「馬頭観世音薩碑」があります。
明治38年9月に平岸・澄川の農家の人々が、開拓に重要な役割を果たした農耕馬の魂を慰めるため長寿寺に奉納されたもので、平岸通の拡張延長工事のため昭和42年に現在の場所に移されました。
地域の開拓に貢献した馬の魂を慰めるための石碑は、札幌市内の神社でも多く見られます。
さて、鳥居をくぐって相馬神社の社殿へ向かいます。
先にも書いた通りかなり急な坂道。
標高89mの小さな山とは言え山は山。しかも一気に山頂近くまで行くので、急坂になっています。
相馬神社に初めて訪れる方は「ギョ!」っと思うかもしれませんね…。
坂を登るのは結構大変ですが、登って行くと次第に神聖な景色が見えて来ます。
樹齢300年以上の御神木。枝が大きく広がる見事なシバグリの木。
あまりに立派な御神木なので、初めてみた方は見事な木の姿に感激するでしょう。私は毎年、相馬神社へ参拝に行きますが、何度見ても圧倒されます!
この大きなシバグリの木からも、相馬神社が「パワースポット」といわれる所以がよく分かるでしょう。
御神木に触れると木のエネルギーを感じます。木の幹に抱きつく方がいるのも分かります!
坂を上った後に見える御神木のことを知っておくと、坂を登るのもそれほど苦に感じなくなるはずです。
上の御神木の写真の中に、お一人落ち葉を清掃している方が見えますが、相馬神社で努める方です。(恐らく次世代の宮司さん?)
坂を登っている途中で「おはようございます。」と丁寧に挨拶をしてくださりました。
私は少々慌てて挨拶を返し…。なぜ慌てたかと言うと、私は札幌市内各地の神社へ参拝に行きますが、先に挨拶されたのは初めてでした。参拝に見えられる方にも同様に挨拶をされているはずです。
拝殿で参拝する前に、第二鳥居をくぐって左側にある手水舎で身を清めます。
簡素な手水鉢で、使用する際に蛇口をひねって水を出す手水舎です。
拝殿の前に立ち、鈴緒を揺らし本坪鈴を鳴らして参拝。
参拝の後、木造りのベンチに座り小休止。
野鳥のさえずりを聞きながら、豊かな緑をゆっくり観賞できます。(運が良ければエゾリスに会えるかもしれません!)
小さな神社ではありますが、札幌市内のパワースポットとして有名なのでしょう。海外から来られた方を見かけるのも珍しくはありません。
拝殿のそばに授与所がありますが、こちらは例大祭などの時だけ使用。
また、更にそばには絵馬が飾られています。
札幌市内の神社へ参拝に行った際に「絵馬にどんなことが書かれているのかな?」と少し覗かせてもらっているんです。
「合格祈願」「健康長寿」「商売繁盛」等よく見られる絵馬が多い中、ちょっと珍しい文言が書かれている絵馬があります。
「宇宙」という文言です。
「御祭神の天之御中主大神のことを知っているんだなぁ」と思わされます。
また、もう一つ目に付くのは「感謝」を伝える絵馬が多いこと。
参拝する方々の清い心の中を垣間見れる一瞬です。(絵馬の写真はプライバシー保護のため掲載しません。)
境内(授与所の奥)には、古い石碑があります。「相馬神社創立記念碑」と「平岸開村五拾年記念碑」。(手前が相馬神社創立記念碑で奥が平岸開村五拾年記念碑)
相馬神社創立記念碑は、相馬神社が明治41年11月に神社として許可を受け、10年目の大正6年に静寂を保つ天神山の頂上に建てられました。
平岸開村五拾年記念碑は、リンゴ園を中心に栄えた平岸村の開村50年を記念して大正9年5月に建てられた石碑です。
どちらも大正時代に建てられたました。歴史を感じる石碑です。
元々天神山は、アイヌの人々が「チャシ」として利用していたそうです。チャシは、見張りや交易の中継地点・儀式の場所としての役割もありました。
従って相馬神社がある場所は、明治以前からもパワースポットとして重要な場所であったと言われています。
また、社務所の横から天神山緑地に通じる道があります。その道から境内を出ると、札幌の他の山々や綺麗な緑とノムラモミジが見えます。
天神山緑地は自然が豊富な場所にあります。
天神山緑地に隣接しているのも、相馬神社がパワースポットとして人気がある理由の一つです。
天神山緑地は、春の桜や梅、秋の紅葉が綺麗な所です。豊かな自然の中でも、5月下旬に見頃を迎える北海道最古の藤の木と言われる「天神藤」は観光スポットにもなっています。
天神藤の見頃の時期が一番参拝者が多いかもしれません。(例祭日や元旦祭などを除く)
相馬神社境内は質素ですが、それ故に豊かな自然が目立ち、何か神聖な雰囲気を感じられます。
札幌市外から札幌に来られた方は、是非立ち寄ってみてください!
9月5日が相馬神社の例祭日です。
しかし、お祭り(例大祭)は9月第一土曜・日曜日に行われます。
それほど規模の大きな祭りではありませんが、氏子地区の方々が楽しみにしているお祭りです。
特に、神輿渡御の出発式はなかなか見所があります!(相馬神社の例大祭を紹介しているページをご参照ください。)
お守りなど授与品は社務所の中にあります。御朱印もいただけます。
ただ、不在の時も多いので事前に電話で確認しておくといいと思います。
昇殿祈願や出張祭典も行っています。詳細は電話にて気軽にご相談くださいとのことです。
社務所受付時間は大体9:00~17:00。
相馬神社のアクセスと基本情報は以下の通りです。